ロングライドを走りきるコツ
長い距離を走ることは、まさに持久力の賜物ですが、それには時間とエネルギーと準備が必要です。そのことを知り尽くしている2人のキャニオン・ライダーに話を聞きました。エミリー・チャペルとジェームス・ヘイデンです。
Rapha Women's 100のような取り組みは、多くのサイクリストに毎年の挑戦を促してきましたが、ライダーの誰もが 最初に100km走破できた時のことを覚えているでしょう。自分の脚力と大胆な決断力でこれだけの距離を走ったことを知ると、他にはない達成感があります。まだ数時間しかサドルに乗っていないという方も、気を落とす必要はありません。長距離サイクリングには、体力だけでなく戦術や計画性も必要なのです。
長距離サイクリングには、数週間から数ヶ月、あるいは超長距離を走るためには数年かけて蓄積した高い持久力が必要です。持久力を高めるには、自分に合った方法が一番です。人はそれぞれ違うので、自分に合った方法を見つけて、自分のペースで走るのが良いでしょう。
長距離を走ることについて誰よりも詳しいのは、エミリー・チャペルとジェームス・ヘイデンの2人でしょう。2人とも、ヨーロッパを4,000km横断するトランスコンチネンタル・バイクレースで優勝しています。エミリーは主に長距離のロードサイクリングを続けていますが、ジェームズは長距離のマウンテンバイクやグラベルレースの世界にも飛び込んでいます。長距離を走るためのコツを二人に伺いました。
長距離サイクリングとは？
何をもって「長距離サイクリング」とするかは議論の余地があります。ある人にとっては長距離であっても、別の人にとっては比較的短い距離であったりします。この記事では、100km以上の距離を指しています。
走行距離アップの方法
一晩でいきなり0から100km以上走れるようになる人はいません。他の多くのことと同様に、練習、試行錯誤、そして時間が必要なのです。エミリー・チャペルのGPSコンピュータのオドメーター（積算走行距離）は、彼女がこの分野の真の専門家であることを意味しています。そこで、彼女がサイクリングの夢を実現するために行っている長距離サイクリングのコツをいくつか紹介します。
最も野心的なプロジェクトは小さなところから始めるものですが、長距離サイクリングもその一つです。70kmを楽に走れることがわかっているのであれば、数週間かけてその距離に10kmを追加してみましょう。
「私はいつも、より素晴らしい場所やルートを探して、家からどんどん離れていくようにしています。」ジェームス・ヘイデンは、この考え方を彼が最近居を構えたスペインのジローナ周辺の道でも適用しています。
冬場を過ぎたら、今の自分の体力を知るためにも、気軽に走り出してみてはいかがでしょうか。日照時間が長くなり、気温が上がれば、より長い距離を走ることができるようになります。イベントやレースなどのサイクリングイベントに参加したり、地元のブルベやオダックスのクラブを探してみてはいかがでしょうか。ブルベは超長距離サイクリングの一種であり、世界中で歴史と伝統のある種目です。
「シューペル・ランドヌール（同一年内<1月～12月>で200km、300km、400km、600kmを完走する）の称号を目指すことで、シーズン中の足がかりを作ることができます。また、ちょうど走りたいくらいの距離の街に住んでいる友人や家族と会うのを目的に走るのも好きです。」とエミリーは言います。
最も簡単なミスの一つは、ライドの最初の段階で少し興奮しすぎて、途中でペースが上がりすぎて爆発してしまうことです。これは誰もが経験していることですが、出発した瞬間からこのような失敗をしないようにすることが大事です。
例えば8時間走る予定なら、後半に備えてエネルギーを蓄えておきましょう。イベントが始まると他の人たちの興奮に飲み込まれがちですが、自分のことに集中して、少なくとも前半の4時間を自分が快適に走れる範囲内で走れば、家に近づいていることを実感しながら、ルートの最後の部分を頑張ることができます。
「長年、何千キロも走ってきてわかったのですが、私は午前中が一番調子がよく、午後になると調子が落ち、日没後にまた調子が出てくるんです」とエミリーは明かします。しかし、自分と比較してしまう他人がいない、一人で走るときの方が楽だとも言います。「もっと長い目で見て、特定の瞬間に速いか遅れているかどうかではなく、毎日どれだけ進歩しているかを考えてみてください。」と彼女は付け加えます。
長距離を走るということは、何時間も何日もかけて移動することになります。一人で走るのが好きな人もいれば、困難な状況にあっても仲間と一緒に走ることで、モチベーションを高められる人もいます。
「自分を勇気づけてくれる人たちがいるということは、大きな違いです」とエミリーは結論づけます。 このような人たちは、現実に存在する場合と、心の中に存在する場合があると彼女は指摘します。「 私はこの人たちを "見えないプロトン "と呼んでいます。走りがとてもつらくなったとき、彼らが私の周りを走っていたり、私の前を走っていたりして、私を風に乗せてくれるのではないかと想像することがあります。このように、ロングライドではソーシャルメディアが大きな助けとなり、孤独を感じなくて済むのです。」
自分と同じ目標を持つ人を見つけることは、長距離の目標を達成するために大きな効果があります。
長距離を走っていると、これまでに走ったことのない場所を走ることになりますが、それは悪いことではありません。「新しい場所を走ると、感覚が研ぎ澄まされて速く走れることがあります。」とジェームズは説明します。「事前にリサーチをして、新しくて面白そうな場所を探し、獲得標高や補給地点、天候などを調べておきましょう」とアドバイスします。
エミリーも彼と同じ意見ですが、イベントの種類によってルートが変わることを強調しています。「レースであれば、A-B間の最短で平坦なルートを選ぶでしょう。でも冒険に出かけるのであれば、静かな道を選んだり、時には寄り道するのもお勧め。だからできるだけ時間に余裕を持たせると良いと思います。」と彼女は提案します。「私のライドの一番の思い出は、いつも予想外のものなんですよ！」
Strava、Ride With GPS、Komoot、Epic Ride Weatherなどのアプリは、次のビッグライドを計画している人には欠かせません。
ロングライド中の食事について
長距離を走るためには、十分なエネルギー補給が必要なのは当然のことです。体に十分なエネルギーが供給されないと、いわば「壁にぶつかる」ことになります。これは、体が低血糖状態（低血糖）になったときに起こります。
エネルギー補給で最も重要なことは、自分に合った方法を見つけることです。人は皆、同じではありませんし、ある人に合うものが自分に合うとは限りません。何時間もサイクリングしながら食事をすると、体に大きなストレスがかかりますから、その時々のサイクリングによっていろいろな食べ物を試してみることが大切です。
炭水化物、脂肪、たんぱく質は人間の食生活に欠かせないものですが、長距離を走っている間は、自分の食べたいものを食べるのが一番です。重要なのは、水分補給を忘れないことです。水分補給は健康に不可欠なだけでなく、疲れているときに注意力を高めてくれます。
長距離走行時のウェアについて
サイクリングで長距離を移動する際には、快適さを最優先に考えなければなりません。バイクに乗っていて快適でなければ、状況はすぐに悪化してしまうでしょう。身につけるものは慣れるまでにかなり時間がかかることがありますし、どのアイテムが自分に最適かを見極めるのにも時間がかかります。
「人によって解剖学的特徴やライディングスタイルが異なるため、研究結果や一般的なアドバイスだけでは限界があります」とエミリーは説明します。屋内でのトレーニングがフィットネスに効果的であることは認めていますが、その服装を実際にライドで使用する屋外に持ち出すのには理由があります。「ライド中に経験するかもしれない過酷な状況に、ウェアが適切かどうか体感する必要があるのです。一般的なルールとして、私はイベントから1ヶ月以内に新しいウェアを決めないという期限を自分に課しています」と彼女は言います。
サイクリングシューズ、ビブショーツ、グローブ、ジャージ、ベースレイヤー、ジレ、ジャケットなどの上半身のレイヤリングなど、長距離サイクリングに必要なキットをテストすることが重要です。雨でも太陽でも、そしてその中間でも生き残ることができるキットの組み合わせについて、自分にとって快適なものを見つけてください。
長距離サイクリングへ出かける時の持ち物
他の自転車旅行と同様に、1～2本のスペアチューブ、ポンプ、タイヤレバーなどの修理キットを持っていくとよいでしょう。また、人里離れた場所に行く場合は、スペアのディレイラーハンガーとスポークを2本ほど持っていくと、これらは重くならずに済むので、自転車の旅を失敗から救うことができます。道端での修理には、マルチツールとスポークキーが必要です。また、チェーン切り（多くのマルチツールに搭載されています）とクイックリンクもあると便利です。特にオフロードではチェーン切れはよくあることなので、気をつけましょう。
丸一日、あるいはそれ以上の時間をかけて旅をするなら、ライトやGPSコンピュータ、携帯電話を充電するためのバッテリーパックと関連ケーブルがあると便利です。暗闇で道に迷ったとき、携帯電話のバッテリーがないと困りますからね。これらの必需品は、フレームバッグに入れておけば簡単に取り出すことができますが、天候の急変に備えて、電気製品は防水のドライバッグに入れておくとよいでしょう。
最後に、クレジットカードは不幸な状況から抜け出すのに役立ちます。万が一、財布をなくしたり、盗まれたりしたときのために、他の貴重品とは別に保管しておきましょう。
長距離ライドに最適なバイク
走るルートの獲得標高や路面状況にもよりますが、最高のバイクとは、最も快適なバイクのことだと言えるでしょう。一般的に、 エンデュランスバイクのジオメトリーは、他のロードバイクよりもハンドルが近くて高く、リラックスした姿勢を取ることができます。CanyonのEnduraceのようなバイクは、軽量なフレームと人間工学に基づいたライディングポジションにより、オンロードで長距離を走るために設計されています。
Grizlは、数百キロにも及ぶ長距離オフロードでのマルチテレイン・グラベル・ライディングにおいて、明らかな勝利者です。すべてのギアを運ぶことができるように設定されており、オフグリッドの冒険を求めているときの頼もしい友となります。
ジェームズ・ヘイデンは、シルクロード・マウンテンレースやアトラス・マウンテンレースのような過酷な岩場を走る長距離ライドやトレーニングにマウンテンバイクのExceedを使用しています。
あなたのバイクは、どこへ連れて行ってくれるでしょう？
これであなたは必要なものをすべて備えました。そろそろ夕日に向かって走り出す時間ですよ！あなたはどんな長距離の冒険に出ますか？インスタグラムの写真には、必ずCanyonをタグ付けしてくださいね。
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