トップチューブ屈曲部「キンク」のストーリー

近年、シクロクロスという競技は劇的に変化してきました。灰色のヨーロッパの冬空の下で、ロードレーサーたちがコンディションを維持するためのオフシーズンのトレーニングとして取り組まれてきたものが、今ではライダーの有酸素能力と同様に技術的なスキルが試される、ユニークでスペクタクルな競技へと進化しています。けれどコースやライダーが進化しても、バイクは比較的代わり映えが無かったのです。だからこそ、私たちCanyonのエンジニアとデザイナーは、新しいInfliteを開発するために前例に囚われない、大胆な選択をしたのです。最高のバイクを作るためには、ゼロからのスタートが必要だったのです。

That Kink That Kink // Photo: Canyon.com

現代のシクロクロスレースとは

もしこの競技の歴史が始まった頃のフランスのシクロクロスレーサーたちが、当時の泥だらけのフィールドから時を超えて現代のシクロクロスコースに舞い降りたとしたら、彼らが何を思うかは想像に難くないでしょう。砂地獄のような急な下り坂を全開で走り、シケインを乗車したままバニーホップで飛び越えたり、ほとんどの選手がバイクを担いでやっとのことで登るようなテクニカルな傾斜を、乗車したまま力強く駆け上がったりする選手たちの姿を見て、衝撃を受けることは間違いないでしょう。

基礎的な身体能力の高さが、この競技を攻略するパズルの重要な部分であることは今も昔も変わりありません。しかし、現代のレースにおいて優位に立つためには、バイクを扱うための高度なハンドリングスキル、バランス、ラインを読む戦術眼、そしていざとなればすぐにバイクを肩に担いで走るといった判断力が必要です。現代の世界最高峰のシクロクロスシーンの中でも最高のライダーたちは、そのすべての資質を備えています。そしてさらにもう一つ、自分たちのレースバイクに全幅の信頼を寄せているのです。

That Kink That Kink // Photo: Canyon.com

ホリゾンタルの弱点

もともと、シクロクロスバイクというこの競技専用のバイクは存在しませんでした。この競技に深い泥や急坂が登場するまでは、ロードバイクを使用していました。徐々にシクロクロスバイク特有の技術が開発され、ワイドなタイヤ、ディスクブレーキ、そしてワンバイドライブトレインや短いチェーンステーなどが盛り込まれてきたのです。

シクロクロス特有の現象として、バイクを肩に担いで走るシーンが見られます。このためバイクメーカーは、フレームの前三角のスペースを大きく確保するため、トップチューブを高くし、ホリゾンタル形状にすることがよくあります。このようにすると肩を入れやすくなる一方で、シートポストの露出が少なくなり、フレックスが制限されるため、振動吸収性が悪くなります。すると、乗り心地が悪化してライダーが疲弊し、バイクをコントロールするためのエネルギーが無駄に必要となり、さらにパワー伝達の効率が悪くなる原因にもなります。

That Kink That Kink // Photo: Canyon.com

大きな前三角スペース

Canyonの開発チームは、この難問に一筋の光明を見出しました。凸凹に荒れた路面での乗り心地を向上させ、ライダーの身体能力を温存し、ペダリング効率を向上させながら、フレームの前三角のスペースを大きく確保するにはどうしたら良いのでしょうか?Canyonの解決策は、革新的な最新技術を駆使して、保守的なUCIレギュレーションに準拠しながらも優れた機能性を備えるフォルムを実現することでした。その答えがトップチューブの屈曲部、「キンク」だったのです。

今では有名になったInfliteのシルエットは、この着眼点から生まれました。トップチューブの形状を最適化して大きな前三角のスペースを確保し、肩に担ぎやすいのはもちろん、手でトップチューブを持った時にフィットする、特別な輪郭のデザインを採用。さらにバイクを持ち上げた際に前後バランスを取ってバイクが暴れない位置となるようにその屈曲部の位置を調整しました。これにより、シートポストの露出を十分に維持しながらも、肩に担ぐ動作を容易にすることができました。このようにシートポストの露出を増やすことは、現代のシクロクロスバイクでは珍しく、衝撃吸収性と乗り心地を大幅に向上し、さらに優れたペダリングトルクの伝達効率をも実現したのです。

That Kink That Kink // Photo: Canyon.com

論より証拠

鮮烈な印象を与えるデザインのバイクを生み出すことと、レーサーに具体的なアドバンテージを与える機材を実現することは、元来全く別のことです。しかし新しいInfliteは、その両方を成し遂げたことが証明されています。ワールドカップでの優勝、国内選手権タイトル、そして男女ともに世界選手権のタイトルを獲得。Infliteのデザインは、そのリリース以来、表彰台の頂点に立ち続けています。

コンマ一秒を争うレース、コーナーのたびに順位が入れ替わるデッドヒートのレースでは、素早く簡単にバイクを肩に担げるかどうかが、1位と2位の差になることもあります。バイクが快適でないからといって、何度も何度もサドルから降りなければならないのは、最後の一手を打つための重要なエネルギーを消耗させてしまうことになります。このトップチューブの屈曲部「キンク」はほんの小さな工夫のように見えるかもしれませんが、それはテストラボにおいても、レースコースにおいても、その劇的な効果が何度も何度も証明されています。Infliteについてのさらなる詳細は、こちらをご覧ください。

  • 5 商品
    • カラー: Aurora
    • カラー: Midnight
    SRAM Rival eTap AXS RD 12s, DT Swiss CRC 1600 Spline
    ¥669,000
    または月額 ¥111,500 から
    • カラー: Midnight
    • カラー: Aurora
    SRAM Force AXS RD 12s, DT Swiss CRC 1400 Spline
    ¥819,000
    または月額 ¥136,500 から
    • カラー: Alpecin Deceuninck Replica
    • カラー: Coral Berry
    Shimano GRX RX820, DT Swiss C1800 Spline
    ¥449,000
    または月額 ¥74,833 から
    • カラー: Sparkle Stealth
    • カラー: Alpecin Deceuninck Replica
    Shimano Dura-Ace Di2 RD-R9250, 12-speed, DT Swiss CRC 1100 Spline
    ¥1,109,000
    または月額 ¥184,833 から
    • カラー: Alpecin Deceuninck Replica
    • カラー: Jingle Green
    Shimano GRX RX810 GS, DT Swiss Cross LN
    ¥369,000
    または月額 ¥61,500 から

シクロクロス世界選手権4冠。

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