トレイルバイクとクロスカントリーバイク、どこが違う?

MTBの購入を検討しているが、トレイルバイクとクロスカントリーバイクのどちらにすべきか迷っている、という方はぜひお読みください。

Grace Lambert-Smith
Grace Lambert-Smith 公開:2024/02/16
トレイルバイクとクロスカントリーバイク、どこが違う? トレイルバイクとクロスカントリーバイクの比較:主な違いを解説

マウンテンバイクを買おうと思った瞬間のことははっきりと覚えています。「自分のグラベルバイクでは走れないトレイルでも乗ることができる……すぐにウェブサイトから注文しよう!」今思うと考えが足りませんでした。

マウンテンバイクで大切なのは、ただ汎用的なバイクを買えばいいというものではないということです。そうは言っても難しい話ではなく、MTBに乗り始める前に、自分がどのようなライドを楽しみたいのかについて考える必要があるというだけです。

エンデューロやダウンヒルのレースに出たいわけではない。自分の地元はファットバイクを楽しむのには向いていない。また、ダートジャンプバイクが欲しいわけでもない。では、トレイルバイクは? これはよさそう。クロスカントリーバイクはどう? こっちもよさそう。実際に検討してみると、トレイルバイクとクロスカントリーバイクは性能面で非常に似通っているように見えます。ここでは、それぞれの特長や選び方をご紹介します。

目次:

トレイルバイクとクロスカントリーバイクの違いとは?

トレイルバイクは、登坂力と加速力が特に優れているクロスカントリーバイクと比べると、よりオールラウンドに活躍するマウンテンバイクです。一方で、クロスカントリーバイクは上り坂がたくさんあるXCレースやマラソンレースを想定した設計のショートトラベルバイクです。どちらも過酷なトレイルを高速で駆け抜けることができる高性能なバイクです。

一般的には、トレイルバイクは変化に富んだ自然のトレイルやトレイルセンターでの冒険的なライドに向いています。中程度のトラベル量のフルサスペンションバイクが多いですが、ハードテールのものもあります。

マウンテンバイクの種類

マウンテンバイクの世界は非常に広く変化に富んでいます。さまざまなトレイル、地形、季節に応じてありとあらゆるバイクがあります。具体的に見ていきましょう。

トレイル用マウンテンバイク

何でもできる究極のオールラウンダーです。通常はトラベル量が130~160mmで、フルサスペンションとハードテールの両方があります。マウンテンバイクの中では最も大きなカテゴリーで、いろんなバイクを選べます。ショートトラベルのバイクは、ロングトラベルのものよりもペダリング効率が多少優れています。過酷なトレイルを走る場合はロングトラベルのほうが適しています。

トレイルバイクは幅広い条件のトレイルに対応できる多用途なマウンテンバイクで、上りでの効率性と下りでの走破性をバランスよく備えています。 トレイルバイクは幅広い条件のトレイルに対応できる多用途なマウンテンバイクで、上りでの効率性と下りでの走破性をバランスよく備えています。

エンデューロ用マウンテンバイク

ペダリング効率の高さと高速でテクニカルな下りでの性能を両立させたバイクです。エンデューロ用マウンテンバイクのトラベル量は160~180mmで、かなり荒れたトレイルで理想的なバイクです。

ダウンヒル用マウンテンバイク

過激なダウンヒルコースに向けた、ホイールベースが長くスラックなジオメトリーのバイクです。ダウンヒル用MTBのトラベル量は180~200mmで、超過酷なトレイルを走るときの非常に激しい衝撃を受け止めます。

クロスカントリー用マウンテンバイク

登坂力に優れたショートトラベルのマウンテンバイクです。長時間走るマラソンレースやXCレースに最適です。

ダートジャンプバイク

ジャンプを楽しむためのバイクです。小柄で頑丈なストリートジャンプバイクで西窪友海やファビオ・ウィブマーのようにジャンプを楽しめます。

ファットバイク

砂や雪を走りたい方に向けたバイクです。ファットバイクはボリュームたっぷりのタイヤとリジッドフレームが特長で、どんな天気でもライドを心から楽しめます。

XC MTBと他のMTBの違いは?

クロスカントリー用マウンテンバイクは上りやレースでその真価を発揮します。これにはさまざまな理由があるので、詳しく見ていきましょう。

ジオメトリー

クロスカントリーバイクは大多数のMTBと比べるとホイールベースが短くなっています。このため、トレイルでコーナーをすばやく曲がりスピーディに動くことができます。ヘッドアングルも立ち気味になっているので、路面の変化に俊敏に反応できます。

XCバイクのライディングポジションはアグレッシブで、上半身を低くできるコクピット配置となっています。これはアタックをかけてライバルを引き離すときやテクニカルなトレイルで機敏にラインを選ぶ場合に有利です。

コース特性

XCバイクはほこりに覆われた硬い路面やロックガーデン、木の根っこが張り出したセクションを得意としています。XCレースでもジャンプを跳ぶ選手は少なくありません。

ショートトラック(XCC)とオリンピック(XCO)の両形式のレースを走る場合は、どちらも同じバイクを使わなければなりません。レース距離は違いますが、コース特性は非常に似ています。

エンデューロバイクは高度な機能を備えた高耐久設計となっていて、難しいダウンヒルトレイルで優れています。 エンデューロバイクは高度な機能を備えた高耐久設計となっていて、難しいダウンヒルトレイルで優れています。

サスペンション

XCバイクはほとんどがフルサスペンションですが、そうでないものもあります。ハードテールフルサスペンションのどちらでも、フロントサスペンションのトラベル量は100~120mmのものが多く、路面からの衝撃をやわらげてくれます。

Luxシリーズのようなバイクにはリアサスペンションがあり、テクニカルなトレイルも快適に走ることができます。リアサスペンションのトラベル量は100~110mmで、段差や細かい振動がほとんど気にならないほどタイヤからの入力を吸収します。

ExceedGrand Canyonといったハードテールバイクは、フルサスペンションバイクよりも高効率なので高速で巡航できます。ライダーのエネルギーが大きな推進力に変わるため、上りで特に有利です。

フレーム

クロスカントリーバイクとトレイルバイクのどちらにもカーボンフレームのものとアルミフレームのものがあります。カーボンは軽くて剛性が高く、アルミは頑丈で耐久性が高いのが特長です。

また、フレーム以外の条件がまったく同じならばカーボンバイクよりもアルミバイクのほうが安価です。

トレイルバイクが最も得意な分野は?

バイクパークやトレイルセンターはトレイルバイクが得意とする場所です。オールラウンダーとしての性能が高いので、どんな道でも軽々とこなします。トレイルバイクにとっては、けわしい下りやドロップオフ、パンプトラックは格好の遊び場です。

マウンテンバイクのスキルをもっと鍛えたい場合、トレイルバイクなら「恐ろしいほど難しい」トレイルに少しずつ慣れていくことができます。上りではXCバイクについていくのはちょっときついかもしれませんが、トレイルバイクのほうがハードなトレイルに挑戦できます。

クロスカントリーバイクが最も得意な分野は?

XCCやXCOのレースを走るならクロスカントリーバイクが有利です。クロスカントリーバイクならスピードや俊敏性、技術的なスキルをレベルアップさせることができます。また、XCバイクの多くはハンドルバーからの操作でフロントサスペンションをロックアウトさせることができるので、上りで効率よくペダリングできます。

現在、プロ選手は軽量化を意識してドロッパーポストのないXCバイクを選ぶ傾向にあります。そのようなセットアップがお好みなら、Lux World Cupはいかがでしょうか。

クロスカントリーバイクは効率性とスピードを追求した設計で、多種多様な地形を精密にコントロールしつつ機敏にこなしたい場合に理想的です。 クロスカントリーバイクは効率性とスピードを追求した設計で、多種多様な地形を精密にコントロールしつつ機敏にこなしたい場合に理想的です。

トレイルバイクとクロスカントリーバイクのどちらを選ぶべきか?

これには正しい答えというものはありません。あなたがトレイルで乗りたくなるバイクを選ぶことが何よりも大切です。

私の場合は、レースに興味がなかったので、トレイルバイクを選ぶことにしました。自分のスキルを少しずつ伸ばすことができるMTBが欲しかったのです。まずは初心者向けのトレイルから始め、中級コースや上級コースにも遠くないうちに挑戦してみたいと思っています。

最終的には、ストロークが長すぎないフルサスペンションバイクのNeuronにしました。Canyonのトレイルバイクはどれもペダリングを苦手としないのですが、Neuronはアドベンチャー向けの設計になっていて、自分にぴったりでした。

まったくの初心者の方なら、最初のバイクはGrand Canyonがよいかもしれません。トレイルでどんな乗り方を楽しみたいかがすぐにわかって、安心して走れるライディングポジションにフィッティングすることができるでしょう。

トレイルセッションで必要なことやジャンプの跳び方をすべて学びたいなら、Stoicがいちばんです。高剛性アルミフレームがライダーのエネルギーをすべてジャンプ力に変換してくれます。

テクニカルなトレイルをある程度こなせる経験があってさらに高性能なバイクが欲しいライダーにはSpectralシリーズがよいでしょう。

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    著者について

    Grace Lambert-Smith

    CanyonのSEOコピーライターであるグレースは、ピークディストリクト国立公園をホームとしています。実績豊富な長距離ロードサイクリストであり、現在はグラベルライドとマウンテンバイクの技術を磨いています。グレースはいつも自身の経験を広く伝えたいと考えており、サイクリングの様子を文章で伝えることに情熱を注いでいます。

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