ハウツー:自転車通勤
お金を節約したい、環境に配慮したい、健康になりたい。自転車通勤はその答えです。この究極のガイドでは、自転車での通勤・通学に必要な情報をすべてお伝えします。
通勤途中の渋滞の中で、自転車で疾走する人を羨望の眼差しで眺めながら、時間だけが過ぎていったことはありませんか?自転車通勤をしてみたいと一瞬でも思ったのなら、すぐに実行に移すべきです。
私たちがサイクリングを愛していることは、言うまでもありません。通勤時のサイクリングは、皆さんに自転車に乗る楽しさを知っていただくための手段のひとつです。そこで、私たちの専門的な知識を結集し、自転車の種類、必要なギア、ルート計画のヒントなど、自転車通勤について知っておくべきことをまとめた便利なハウツーガイドを作成しました。
それでは、始めましょう
なぜ自転車で通勤する必要があるのでしょうか?
毎日のエクササイズ、交通渋滞や混雑した公共交通機関の回避、お金の節約、環境への配慮。通勤時に自転車に乗っていれば、それが可能になるのです。
体を鍛えて、気分爽快に
通勤に自転車を使えば、1日の始まりか終わりに、それとも両方で毎日のエクササイズを取り入れることができます。サイクリングは優れた有酸素運動であり、一日の活力源となります。e-バイクでも、フィットネスを向上させると同時に、最も必要な時に活力を与えることができます。
自転車に乗ることで得られる身体的なメリットだけでなく、運動することで精神的な余裕が生まれることが研究で明らかになっています。自転車に乗るという貴重な時間を確保することで、デスクやハンドル、満員のバスや電車から離れることができます。考え、呼吸し、自転車に乗ることに集中するための時間です。
職場に到着すると、気分が高揚し、結果としてより幸せで生産性の高い人間になれる可能性があります。
お金と時間を節約
多くの人にとって、通勤費は毎月の支出の中で最も多いもののひとつです。燃料費、駐車場代、保険料、車両登録費、メンテナンス費など、これらのコストを削減することで、浮いた費用の使い途をより良いものに変えていくことができます。
公共交通機関の定期券は車よりは安いですが、今後はさらに高くなりうることや、遅延に運行停止も考えられます。また、公共交通機関の時刻表に翻弄され、特に職場から少し離れた場所に住んでいる場合は、時間の融通が利かなくなることもあります。
自転車とギアを手に入れた後、自転車は昼夜を問わず自由に走ることができます。寄り道も簡単なので、帰りに食料品を買って帰ることもできるでしょう。
地球環境への貢献
今、私たちは気候危機の真っ只中にいます。調査によると、ほとんどの国で車での移動の半分近くが5km未満の距離であることがわかっています。もし、そのような人たちが5kmの移動を自転車に置き換えれば、大気中のCO2の量と環境への影響を一気に減らすことができます。
化石燃料に頼らず、自分の力で通勤したというのは、とても気持ちがいいものです。車から自転車に乗り換えることで、 環境に良い影響を与える ことができます。
通勤に最適な自転車は?
簡単に言えば、どんな自転車でも通勤できますが、自分のニーズに合った自転車があるはずです。自転車を購入する際には、自分がどのような乗り方をするのかを考える必要があり、そのため正解は一つではありません。
週末に家族と一緒にサイクリングしたいですか?車道ではなく、地元の自転車道を使いたいですか?通勤時間が長かったり、坂道が多かったりしますか?同じ自転車をいくつかの異なる仕事に使いたいと思いますか?
経験や体力に関わらず、あなたにぴったりのバイクがきっとあるはずです。今回は、その中でもおすすめのバイクをご紹介します。
コミューターバイク
コミューターバイク は、平日の街への出入りにバイクを使用する予定の方に最適です。フラットハンドル、洗練されたアルミフレーム、40mmタイヤにより、あらゆる通勤に対応する快適で耐久性の高いバイクです。
通勤や帰宅の足として頼りになる一台から、パニアラックや内蔵ライト、マッドガードなどの装備を充実させ、より快適で多彩な機能を備えた一台まで、さまざまなタイプの自転車を選ぶことができます。
ロードバイク
伝統的な ロードバイク は、適切な装備を整えれば、毎日のように使うことができます。クロスバイクほど快適ではないかもしれませんが、細いタイヤと空力的なデザインは、通勤にパフォーマンスを求める人には最適です。
ロードバイクは最も軽量なバイクであることが多く、その分スピードも速く、価格も少し高めです。ロードバイクのフレームやコンポーネントには、カーボンファイバーがよく使われています。ドロップハンドルは手の位置を自由に変えることができるので、長い距離を走る場合はそちらを好むライダーもいるかもしれません。
グラベルバイク
近年、 グラベルバイク の人気が高まっています。砂利道、交通量の少ない自転車道、街中の道路など、悪路と舗装路のギャップを埋めることのできるグラベルバイクは、通勤時に選ばれています。
グラベルバイクの外観はロードバイクに似ていますが、ジオメトリーはややゆったりとしており、タイヤの幅も太くなっています。平日はもちろん、週末にオフロードでのサイクリングを楽しみたいという方には、グラベルバイクがおすすめです。 グラベルバイクとロードバイク でお悩みですか?私たちがあなたの決断をお手伝いします。
マウンテンバイク
ほとんどの人は、通勤のために山脈を越えることはないと思いますが、だからといって日常的に使用するのに適した自転車でないというわけではありません。多くの人にとって、荒れたサイクリングロードは珍しいものではありません。週末にマウンテンバイクを楽しむのであれば、平日にもマウンテンバイクを使用した方が良いでしょう。 マウンテンバイク の良いところは、交通量の多い幹線道路を避けて、あまり人が通らない道を走れることです。太いタイヤと軽めのギアで、坂道にも適しています。
ヘルメット
世界の一部の地域では ヘルメット の着用が義務付けられていますので、サドルに乗る前にヘルメットを入手する必要があるのは言うまでもありません。とはいえ、現地の法律にかかわらず、ヘルメットの着用をお勧めします。
ヘルメットにはさまざまな形やサイズがありますが、その中には通勤用自転車に合わせたシティサイクリスト向けのデザインもあります。これらのアーバンサイクリング用ヘルメットには、小さな反射材が付いており、毎日の仕事の前後に最適です。
保護性能を高めるために、MIPS機能を採用した製品をお勧めします。このテクノロジーは、転倒や事故の際の衝撃から頭部を保護し、脳へのダメージのリスクを軽減します。
防水ジャケット
防水ジャケットを着ずに雨に降られてはいけません。土砂降りの雨の中でも、他のレイヤーを濡らさずに済みますし、路面が濡れていても、あなたの身体や衣服を汚しません。
サイクリングには重ね着がつきものですが、万が一に備えて防水加工されたものを持ち歩くのも悪くないアイデアです。通勤に便利な防水バッグの多くは、携帯電話、財布、定期券などを収納できる十分なスペースを備えているので、外で鍵を探しまわる必要はありません。
ズボン、ショートパンツ、それともレギンス?
その日の天候によって、その日の通勤に適した服装が決まることがほとんどです。人によっては、自転車に乗るときはサイクリング専用の服を着て、その日のうちに仕事用の服に着替えたいと思う人もいるでしょう。また、自転車から降りてすぐにオフィスに行けることを好む人もいます。
通勤用のズボンは、他のズボンとは異なり、膝周りにストレッチ性が加えられていますが、通常のズボンとの違いを見分けるのは難しいでしょう。さらに、こういったズボンの裾には、道路上での視認性を高めるために反射材のディテールが施されています。
通勤時間が長く、起伏が多い場合には、適切な サイクリングウェア をお勧めします。サドルの上で何時間も(時には何日も!)過ごすサイクリストたちが試してきたものですが、それには理由があります。パッド付きのショーツは、擦れやその他の不快感を防ぐことで、長時間の使用でも快適性を高めることができます。伝統的なサイクリングウェアを選べば、仕事着が汗や路面の汚れで汚れる心配もありません。
サイクリングシューズ
通勤時間が短く、短時間で比較的楽な場合は、スニーカーで十分でしょう。しかし、通勤時間を利用して心拍を高めるような運動をしたい場合は、クリート付きのシューズとペダルを使うと、より安定して快適に過ごすことができます。
フラットペダルとクリップレスペダル の議論は尽きることがありませんが、どちらにも長所と短所がありますので、自分に合ったものを選択してください。
サングラス
交通量の多い場所では、クリアな視界が重要です。光の状態は一日中変化するので、どんな状況でもはっきりと見ることができることが重要です。 サイクリング用サングラス は、有害な紫外線だけでなく、他のライダーやドライバーが前方に巻き上げた汚れからも目を保護してくれます。
グローブ
バイクに乗っているときの手の冷たさほど辛いものはないでしょう。出勤時の明るい日差しに惑わされていたら、冷たい風が吹いてきて、ブレーキレバーを操作するのに苦労した、ということはよくあることです。
グローブは断熱性に優れているだけでなく、路面からの振動を吸収したり、万が一転んでしまったときに手を保護してくれたりします。仕事で大切な手を守るためには、その保護が重要です。
サイクリンググローブ には、フルフィンガータイプとフィンガーレスタイプがあります。年間を通しての保護のために、それぞれのセットを用意することをお勧めします。
通勤に欠かせないアクセサリー
自分に合った自転車を見つけたら、次に必要なキットを用意しておくことが大切です。たとえ週に一度の通勤であっても、これらのアクセサリーは通勤を楽しむために欠かせません。
ライト
夜間でも昼間でも、また天候の状況に関わらず、 自転車用ライト を常時使用するのは良いアイデアです。常時点灯するフロントライトは前方の道路を見やすくし、さらに点滅するライトは、他の道路利用者があなたを見やすくします。また、自転車の後部にも同様の装備をすることで、後方からの視認性を確保することができます。
ほとんどの国では、夜間の自転車用ライトの使用が法律で定められているので、気をつけましょう。
マッドガード
マッドガード が付いていないモデルを購入した場合でも、マッドガードは後から簡単に取り付けられるのが良い点です。後付けのマッドガードセットは、前はフォークに、後ろはシートステーに取り付けられます。雨が上がった後の道路は、特に道路の縁石付近が油や汚れが溜まっていて、土がたくさんついていますので注意して走行しましょう。
バッグ
バックパック は、すべての持ち物を入れて出勤するために必要な最低限のアイテムです。予備の服、ランチ、ラップトップなど、高品質のバックパックは役立つものです。
重い荷物を身に付けずに体を動かすには、パニアバッグが最適です。また、帰宅途中に買い物をする場合にも最適なアイデアです。ただし、あまり重い荷物を積むとバイクのバランスが悪くなるので注意が必要です。
パニアを使うつもりなら、Canyon Commuterなどのキャリアマウントがあるバイクでないといけません。最初に自転車にすべてを積み込んだら、少し走り回ってみて、自転車のバランスが取れていることを確認してください。ヒント:スムーズな走行のために、自転車の左右に荷重を分散させるようにしましょう。
ラックマウントがないバイク、例えばCanyon Enduraceなどにはバイクバッグは最適です。また、いつでも同じ自転車を使いたいという方もいらっしゃると思いますが、バイクバッグを使えば簡単にそうすることができます。この場合も、バッグが後輪に接触するほど重くないことを確認してください。バッグが左右に揺れないようにストラップをきつく締めればOKです。
通勤ルートのプランニング
あなたが車で通勤するルートは、自転車で走るのに最適なルートではないことが多いです。道路によっては自転車の通行が制限されていたり、制限されていなくても交通量が多すぎて自転車には危険な道路もあります。
それを踏まえた上で、地図を詳しく見てみましょう。
可能な限り自転車レーンを使用しましょう
道路を走る自転車の数が飛躍的に増えたことで、各国政府や議会はインフラの整備や投資を進めています。COVID-19パンデミックの際にも、多くの国で自転車への投資が行われましたが、その結果、健康やフィットネスのために自転車に乗る人が世界中で急増しています。隔離された自転車道を利用すれば、自動車やバスなどの自動車交通から離れて、街への出入りに最も適したルートを自転車で走ることができます。
渋滞知らずのサイクルネットワーク
より詳細な地図では、道路だけではなく、様々なものが表示されます。トレイルや交通量の少ない自転車道、運河や川沿いの道などは、交通量の多い道路よりも安全で楽しく、場合によっては早く行けることもあります。路面の状態をメモしておいて、試してみてください。朝の出勤時に、より景色の良い道を通ることができるかもしれません。
幹線道路を避ける
どうしても交通渋滞を避けられない場合は、代替手段を探しましょう。交通量の多い幹線道路とほぼ並行して走る静かな道路は、素晴らしい選択肢です。距離は長くなりますが、ラッシュアワーの渋滞を避けることができ、より快適な時間を過ごすことができます。
通勤に役立つスキル
サイクリングにはトラブルがつきものです。車や電車でも故障することがあるように、自転車でもパンクしたりメカトラが起こることがあります。幸いなことに、ほとんどのトラブルはリスクを減らす方法があり、パンクやメカトラも方法を知っていれば簡単に修理することができます。
バイクのMチェック
家を出る前に、自転車のすべての機能が正常に動作しているかどうかを確認する最も簡単で迅速な方法は、自転車をMの字型になぞる「Mチェック」です。
まず後輪から、ブレーキが効いているか、ホイールが固定されているかを確認します。ついでに、タイヤに空気が入っているかどうかも確認してください。次に、サドルがきちんと固定されているか、サドルが動いていないかを確認します。チェーンリングとペダルに移る:ペダルを軽く回して、チェーンに重いグリスや汚れが付いていないか確認してください。その後、ステムとハンドルバーをチェックします。前輪がハンドルバーと同じ方向を向いているかどうかを確認してください。最後に、前輪のブレーキとタイヤを後輪と同じようにチェックし、スルーアクスルやクイックレリーズが正しく締め付けられていることを確認します。
パンク修理の方法を学ぶ
どんなにお金があっても、パンクの危険からは逃れられません。だからこそ、外出先でもパンク修理ができるようにしておくことが大切です。パンクは不便で、数分は道端にいることになりますが、安全に道路に復帰するためにはそれしかありません。
自転車に乗るときは、スペアチューブ、ミニポンプ、タイヤレバーなどの 修理キット を必ず携帯しましょう。もし修理ができない場合は、地元の自転車店に連絡して、すぐに修理をしてもらうようにしましょう。
交通ルールを守る
初めて通勤する前に、自転車で道路を走る際の法律をよく理解し、それに従ってください。赤信号で止まることや、車の進行方向と同じ方向に走ることなどは当然のことです。また、街の中心部を移動する際には、標識に注意してください。自動車の通行が禁止されている道路もありますが、サイクリストにとっては交通量の少ない素晴らしい道です。
共用道路では歩行者に道を譲り、信号で止まっているときは歩行者の横断を妨げないようにしましょう。
到着時のリフレッシュ
シャワーやロッカー、自転車を安全に保管できる場所を用意している職場もあれば、そうでない職場もあります。汗をかくような通勤の場合は、同僚に会う前にリフレッシュできるよう、必要なものを用意しておきましょう。
ウェットティッシュ、デオドラント、そしてコロンや香水をひと吹きすると、清潔感が増し、嫌な臭いを隠すことができます。通勤時に汗をかくことがわかっている場合は、着替えを用意しておくのが一番の近道です。可能であれば、毎日持ち歩かなくてもいいように、机の引き出しにいくつかのアイテムを入れておくといいでしょう。
準備が整いました
自転車、ウェア、アクセサリーの準備ができたら、いよいよ出発です。不測の事態に備えて(あるいは途中でコーヒーを飲みたくなったときのために!)、必要な時間よりも少し多めの時間を確保して、自転車の自由な走行を楽しんでください。
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