自分に合ったサドルの選び方
自分に最適なサドルを見つけるのは簡単ではないかもしれません。Canyonのガイドでは、Ergonの協力を得て、どのような用途でも快適なライドを実現するサドルの選び方をご案内します。
ライド中の不快感はできるだけ避けたいものです。
体にフィットしないサドルは、ライド中に不快感が生じる大きな原因になります。適切なサドルを選ぶには時間がかかるかもしれませんが、最適なフィット感のサドルが見つかれば、快適なライドを楽しめるようになるでしょう。
ロードサイクリスト、マウンテンバイカー、あるいはときどきバイクで通勤する人など、ライダーそれぞれの用途に最適なサドル選びの基礎をご案内します。また、ライダーの身体の構造とサドルの構造にどうかかわってくるのか、サドルにまつわるよくある誤解を解く正しい知識について説明します。
体にフィットするサドルを探す
サドルはどれも同じように作られているわけではなく、すべての人にフィットするサドルはありません。それぞれに特徴が異なります。
サドルは構造からしてさまざまであり、ライダーが自分の骨格に合うものを選ぶべきものです。全体的な形状やサイズもサドルごとに違います。「七転び八起き」の精神で、失敗してもあきらめず次を探しましょう。
サドルはバイクとの重要な接点であり、快適性とパフォーマンスに大きく関わります。フィット感のあるサドルを使うと痛みを感じることがなくなり、バイクで目標を達成できるようになります。朝の出勤時に乗るだけでも、レースで勝利を狙う場合でも、ライド中の不快感はないに越したことはありません。
自分にフィットする適切なサドルを見つける最も簡単な手段は、坐骨間の幅を測ることです。サドルメーカーは、対応する坐骨幅が異なるさまざまなモデルを製造しています。多くのバイクショップで坐骨の測定器を利用できるようになっており、簡単に坐骨幅を計測できます。
サドルで痛みが出る原因
サドルで痛みが生じる主な原因は、正しくない部分に圧力がかかりすぎることです。ライディングポジションも大きな要因です。
サドルは坐骨をバランスよく支える必要があります。サドル幅が広すぎると擦れてしまいます。狭すぎると坐骨に過度な圧力がかかります。
ライディングポジションでは、坐骨以外にも女性は恥骨弓の部分、男性は会陰部がサドルと接触することがあります。このため、サドルの角度も重要です。
サドルが前傾しすぎていると、上体を支えるために手が痛くなります。後傾しすぎているとハンドルが遠くなり、恥骨弓の前部に大きな圧力がかかります。
サドルの構造
どのサドルも座るものであることに変わりはありませんが、製品ごとの違いはどこにあるのでしょうか。
バイクのサドルは、いくつかのパーツで構成されています。
- 表皮:サドルの表面素材で、皮革や合成繊維のものが一般的です。
- シェル:サドルのしなりを生み出す硬い基層の部分です。このシェルの上面に、パッドとカバーが重ねられています。プラスチック製やカーボン製があり、価格が手ごろなモデルはほぼプラスチック製ですが、軽量化を追求するなら、少し贅沢にカーボン製を選ぶとよいでしょう。
- パッド:パッドが厚いサドルもありますが、それで必ずしも快適性が向上するわけではありません。極薄でも高密度のフォーム層が必要な場所に配置されていれば圧力は軽減されます。パッドがまったく使われていないカーボンサドルもありますが、ほとんどのライダーの場合、わずかでもパッドが入っているモデルのほうがよいでしょう。
- サドルレール:シートポストに取り付ける部分です。アルミ製、チタン製、カーボン製があります。それぞれにメリットがありますが、価格帯や重量が異なります。
- サドルの形状:座面がフラットなものと、湾曲したものがあります。フラットなサドルは空力特性を追求したライディングポジション向きです。湾曲したサドルはエンデュランスライド、通勤、トレイルライドなどで、直立に近い姿勢で乗る場合により適しています。
- カットアウト:カットアウトのあるサドルは、会陰部や恥骨弓部分にかかる圧力を軽減するよう設計されています。
新しいサドルは、体になじむまでは痛いものだと思っている人がいますが、これは誤りです!新しいサドルでも最初から快適に乗ることができます。2~3回乗ってみなければポジションが決まらないかもしれませんが、ライドのたびに痛みに悩まされることはありません。
女性向けのサドルは男性用と違うのか?
ユニセックスモデルのサドルが快適だと感じる女性もいますが、女性の多くは女性向けのサドルを選んでいます。
サドルに男性用と女性用のモデルが存在する大きな理由は、骨格の違いです。女性向けのサドルは形状が異なります。カットアウトがあったり、フォームの密度が違ったりする場合があるでしょう。
サドルメーカー大手Ergonのエルゴノミクス(研究開発部門)担当チームリード、ジェニー・ハースは、このような事柄についてライダーを啓蒙しようとチームで懸命に取り組んでいます。
「Ergonでは、パーフェクトなサドルを見つけるための重要な要素は3つだと考えています。ライディングポジションとバイクの種類、坐骨の幅、性別です」まずこう前置きしてから、ハースは性差が関わる部分について具体的に説明しました。
「女性の陰部は『動かない』ので、特にスポーティなポジションやアグレッシブなポジションで走っている間はその部分に座ることになります。したがって、骨組織を支え、軟部組織への圧力を軽減するため、当社の女性向けサドルの形状と圧力軽減ゾーンは、男性向けサドルと異なっています」
どのようなサドルもそうであるように、女性向けサドルも、追求しているのは快適性とサポート性です。サドルは軟部組織周辺を圧迫しない設計が必要ですが、この部位が、男女間で異なるのです。
自分に合ったサドルを選ぶ
Googleで「自転車 サドル」を検索すると、膨大な数の結果が表示されます。自分にフィットするパーフェクトなサドルが見つかれば、この先何日、何週間、何年でも快適に走ることができるでしょう。サドルとの相性が悪ければ、数分で引き返し、その後何時間も痛みに悩まされる羽目になるかもしれません。
では、自分に合ったサドルはどのように探せばよいのでしょうか?
1. どのような乗り方をするか?
乗り方やライドの種目次第で、バイクごとに異なるサドルが必要になります。ロードバイクのサドルがダウンヒル用マウンテンバイクのサドルと同じということはほとんどありません。
タイムトライアルレースなら、フラットな形状やショートノーズのデザインのサドルを使い、極めて攻撃的なライディングポジションで走るでしょう。
マウンテンバイクで出かける場合、トレイルを疾走するには、座面が幅広で湾曲したサドルの方が快適かもしれません。トレイルから伝わる振動を吸収するよう最適化されたサドルもあります。
2. 男性か女性か?
骨格は性別によって異なります。上述のように、女性向けのサドルでより良い走りができるかもしれませんが、
ユニセックスモデルのサドルで快適だと感じる女性もたくさんいます。女性向けのサドルで快適に走れる男性もいないわけではありません。
3. 坐骨の幅を測る
サドルサイズを決める最も簡単な手段は、坐骨の幅を測ることです。多くのブランドで、さまざまな幅のモデルが提供されています。
プレッシャーマッピング測定を行っているバイクフィッティングサービスも多数あります。コンピューターに接続した測定用の布地をかぶせたサドルに座って圧力を測定するサービスです。サドルのどの部分に最も圧力がかかっているかを示し、圧力が強い部分を軽減できるように変更するうえで役立ちます。
4. サドルライブラリーを訪ねる、試乗する
サドルライブラリーには広範なブランドのサドルが幅広くそろっています。ここでサドルを借り出して一定期間試乗し、その後返却することができます。
バイクショップの中には、在庫しているブランドのサドルに試乗させてくれるところもあります。地元のバイクショップで詳細を確認してみましょう。
5. 予算を決める
予算もサドルを購入する際の重要な要素になります。軽量なカーボンサドルや3Dプリントで作られたサドルなど、予算に余裕があれば選択肢も広がります。
必ずしも最軽量、最先端のサドルを使う必要はないかもしれませんが、そのようなサドルを求めるライダーもいるでしょう。また、最も高価なサドルが体に合うとは限りません。リーズナブルなサドルでパーフェクトなフィット感を得られることもあります。
サドルポジションを調整する
快適なサドルが見つかったら、適切にフィッティングする方法を学びましょう。一般的には、サドルは水平に設定すると、体の圧力が均等にかかり、最も快適です。ただ、ライダーによっては、サドルをわずかに前後に傾けたほうが良いという人もいます。
サドルやバイク全体のフィッティングに関する疑問を解消するには、プロのバイクフィッティングサービスを利用することもできます。
自分でフィッティングする場合は、ビブショーツやサイクリングシューズなど、普段のライドで利用しているキットを着用しましょう。サドル高に影響するためです。
良質なシャモアパッドで快適に
バイクで快適性を高めるには、サドル以外にも重要な要素があります。ジェニー・ハースは、良質なシャモアパッドの重要性を強調しています。「形状、厚さ、密度などで数多くの選択肢があります。ライダーの体だけでなくサドルの形状にもフィットしている必要があります」と説明しています。
Canyonの各種ショーツやビブショーツは、広範なテストを経て、最高の快適性を実現しています。詳しくはビブショーツのバイヤーズガイドをご覧ください。
サドルを選ぶ
最適なサドルの見つけ方をご紹介しました。坐骨の幅を測って、製品を調べてみましょう。できれば購入前に試乗し、ライドを楽しんでください。悩みが解消されないときは、プロのバイクフィッティングサービスを利用してライディングポジションを調整しましょう。
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